2024年4月10日水曜日

捨てて生まれる空白に


「捨てられずとってあるもの」が時間と体力を奪い続ける。

 それは物だったり、関係だったり、感情、過去、プライド、自尊心、目標、約束、

 これらを捨てることはとても損をした気分になるのだが、

 捨てて生まれた空白に、ようやく待ってましたと、望んでいたものや人がすべりこんでくることが多い。」

―――――

ネットからのヒロイモノであります。

まぁふつうは、捨てずに新しいモノをツッコもうとするから

混乱とカオスの中で生きることになってしまうのかもしれません。

“二兎を追う者は一兎をも得ず”

新しいモノを手に入れたら、古いモノを捨てようと思いがちですが、

とりあえず古いモノを捨てた方が、本当に自分が必要としている新しいモノが入ってきやすいような気もしますよね。



P.S

いや、自戒の為のメモですよ。

是非、共有しましょう。







2024年4月8日月曜日

素晴らしき、きのこの世界

Tumblerで気になるコメントが流れてきて、どうにも見たくなって鑑賞。

タイトル通り“きのこ”に特化したお話であります。

PG-16。

# 最初、なんで?と思った。

それにしても初めて知ったことの多いこと多いこと。

# ホントなの?もかなり感じますが。

CGでの表現も実に色鮮やかで直感的であって綺麗で分かり易い。

そして“きのこ”というよりも、菌や胞子でのお話に拡がってゆく。

その不思議さには、確かに驚かされる。

けれど、中盤を過ぎると、その幻覚作用の効能や、それに伴う精神性、果ては、宗教まで絡んでくると、、、

ちょっと行き過ぎてない?と思わざるを得ない。

# この辺りで、PG-16に大いに納得。

人類の進化は、きのこの幻覚作用で起こった、とか、
マジックマッシュルームのポジティブ効果を全面的に打ち出されると、

そりゃ勘違いする人も出てくるでしょうよ、きっと。

前半の部分までは、なかなかよい映画だと思ったんだがなぁ。

ちょっと残念です。


P.S

そうそうこの映画を見ようと思ったのは、その中に出てくるシロアリの生態について。

自分たちに悪い菌をカラダに付けて巣に戻ってきたアリは

巣の門番アリに、自分たちの墓場まで連れられて、頭を食いちぎられて殺されるそうな。

そして、殺した門番アリ達も自殺するという、、、。

# ス、スゴい。

先日紹介した「風の中のマリア」(百田尚樹著)のハチのように、

アリも個々が集まってひとつの生物を構成してるんだろうなぁ、、、。

きのこよりもその壮絶なアリ目当てに鑑賞し出したのでありました。






2024年4月6日土曜日

366日 物語のある絵画


にわかとはいえ、10年以上中世の西洋絵画を勉強していた私。

けれど、そのほとんどがルネッサンス期の宗教画で、

世界にはもっといろいろな物語があって、それに絡む絵画もいっぱいあるはずで、、、

と思って買った一冊。

全ページがカラーで、確かに絵本のような美しい一冊であります。

だけど、やはり自分の知識の無さを再確認する一冊でもありました。

宗教画の前にギリシャ神話ネタがあり、騎士物語、シェークスピアからおとぎ話まで網羅されている。

そして、366ページの絵画には、数行の解説が付いているけれど、、、

如何せん、それらの物語の事前知識がないと、その解説は殆どわかりません。

と言うわけで、絵画は楽しめますが、物語の知識が付くかっていうとちょっと難しいかも。

もっとも新たな物語との遭遇のきっかけになるかも、と言う意味ではとても良い一冊かもしれません。


P.S

私としては、次は、中世の騎士物語でも追っかけてみようかな、と思っています。




2024年4月4日木曜日

4月、環境リセットの季節

――――

若い人たちが先に進めるのは、
3年か4年ごとに卒業式がやってきて強制的に環境がリセットされるからだと思う。

環境が新しくなれば、いずれ中味も新しくなる。
同じ連中とツルんでいたら人間は変われない。

20年同じ会社で働いているオヤジが腐るのは、淀んだ水の中で暮らしているから。

     小田嶋隆氏のツイートより

――――

ネットからのヒロイモノである。

なので、彼の本当のツイートかどうかはわからないけれど、
確かに彼らしい文言である。

この季節、子供たちの進級を見ていると、本当につくづくこれを思う。

環境の変化とともに、
子供たちには、慣れ親しんだ友との別れもあれば、
次なる友や先生との新たな出会いもある。

友との別れを残念に思う子は、ある意味、大切な瞬間かもしれないけれど
長い人生を送ってきた人間から見れば、まだまだこれからのとてもたくさんの出会いと別れがあることを思えば、

「人生をスタートしたばかりに出会った相手なんて、すぐに上書きされちゃうって」

などと密かに思っている冷たい私である。

確かに同じ会社で同じ環境で長く働くのは、効率はいいけれど、たしかに腐りやすいよなぁ。(笑)

# 本当に効率いいのか?

まぁ受け継がれる技術や思考の伝承を考えれば、ある程度仕方がないことなのだろうけれど。

私は、40年働いていた会社や同僚達に何も未練はないけれど、
定年過ぎても会社に居続けるオヤジ達には「まだ居るの?」と思えてしまってすみません。



P.S

そろそろ私の人生の“強制シャットダウン”も見えてきそうだけれど、

それも腐らないための人類の仕組みなんだろうなぁ。

よく出来てるわ、、、とつくづく思う。




2024年4月2日火曜日

パンドラの匣

ちょっと前に、太宰治の“正義と微笑”を読みたくて買った本のタイトルが“パンドラの匣

何せ私の頭の中では“正義と微笑”の方がメインだったわけで、

DVDでこの“パンドラの匣”を見つけた時に、てっきり“正義と微笑”と勘違いしてレンタル。

映画を観始めて、「なんか違うじゃん。」と小説本をペラペラと見てみて、その違いに気づいた次第。

# なんか情けないな。

で、頭を切り替えて、再度鑑賞を開始。

戦後間もない時代の結核療養所でのお話。

# やっぱり、あらすじはパスね。

まぁ太宰治の世界を映画にすれば、こんな風になってしまうんだろうな、とは思わせてくれるけれど、

戦争、結核、死、恋、、、といった話のちょっと不思議な趣を有する物語であれば、

特に飽きることもなくダレることもなく、映画自体は観ることは出来てしまいましたが、

なんとも、私の中に何も残ることがなかったような、、、。

なにか情緒を楽しむ映画なのかもしれません。

そんな気がしました。



P.S

やはり思うのは、、、

そもそも時間の枠もあれば、俳優のキャラクターの事前認識もあったりして、、、

純文学の映画化って、、、やっぱ無理があるようなぁ、、、と、つくづく。






2024年3月31日日曜日

ハグとナガラ

ブックオフで偶然に発見した一冊。

原田マハ“さいはての彼女”の続編(?)。

# 続編というよりもシリーズものだな。

10円で購入。

中年女性の旅物語である。

6編の短編からなり、ハグとナガラの女性二人の明るいやり取りが楽しい。

ただ、楽しさだけに終わらず、母の介護や死別といったことで、否応なく旅に絡んでくる話題もあって、、、。

人生は、なかなか思うようにはいかない。

けれど、それもまた自分の人生。

何気に、歳を取るってことも悪くないな、とも思わせてくれるこの二人とその関係もうらやましくもあります。

人生を足掻く、、、見習いたいと思います。


P.S

中年女性二人の旅物語、、、。

確かに中年男性二人だと、物語が成立しにくいのに納得できてしまう自分、、、

今どきは、ダメだろっ、ハハハ。






2024年3月29日金曜日

さいはての彼女


「楽園のカンヴァス」を読んで原田マハに興味を持った。

他にどんな小説を書いているの?と次に選んだ一冊。

4篇の短編からなるこの一冊、どれもとても爽やか。

自分に自信を持ちながらも、不意に落ち込んでしまった時、

その爽やかな出来事に、自分の変化を感じながら再生してゆく。

きっと現代にお疲れ気味な人間は自分を重ねる人も多いでしょう。

まぁ私のような現役を離れた人間には、ちょっと懐かしさも感じたりもするけれど、

例え物語が単純であっても、こういった爽やかな小説が私は好きです。



P.S

原田マハ、この歳でファンになりそうな予感。

次は何読むかな。








2024年3月27日水曜日

灼熱の魂

凄い映画だった。

2011年の作品。カナダとフランスでの製作。

ドンデン返しのその内容もスゴかったけれど、何だか百田尚樹の「幸福な生活」的なドンデン返しで哀しくなった。

場所は、中東。
宗教戦争での内戦で悲惨な状態の中での物語である。

シーンは、現代と35年前を行き来する。

やっぱりどうも外国人の顔の違いの識別に慣れていないせいか、最初のうちは、過去と現代との切り換わりに混乱したりもした。

# まぁネタバレは絶対に回避。

宗教戦争のはずなのに、こういうことに至っては、なんでもアリなのか?感を感じてしまうのは、平和日本に住んでいるからなのだろうか。

それにしても哀しい。

いったい母は、どんな気持ちで子供たちを育ててきたのだろう。
そして、真実がわかった時の母の気持ちは、、、?

もうただただ実話でないことを祈るばかりである。


 

P.S

この映画をドンデン返し映画で選んだのか、中東問題ネタで選んだのかが今となっては思い出せない。

しかし、確かに驚くべき物語であって、いくら映画がすごくても、
これを“傑作”と表現するのには、ちょっと私は抵抗があるな。





2024年3月25日月曜日

積水不可極 安知滄海東 九州何処遠


積水不可極 安知滄海東 九州何処遠
万里若乗空 日国惟春日 帰帆但信風
鰲身映天黒 魚眼射浪紅 郷樹扶桑外
主人孤島中 別離方異域 音信若為通

詩人の王維が阿倍仲麻呂へ詠んだ惜別の詩。

まぁ解釈は、ググってもらうとして、

もう二度と会えないであろう親しき人への想いである。

まぁ、イマドキであれば、同じ地球に住んでいれば、二度と会えないということもなかろう。

けれど、当時は、お隣の中国・長安から日本に渡るだけでも永遠の別れを感じたのだろうなぁ。

もっともこの後、阿倍仲麻呂は嵐にあって、二度と日本の地を踏むことにもならなかったわけだけれど。



P.S

お習字の先生も既に亡くなって久しい。

いつか来るであろう最後の日をどう迎えようか、しみじみ思ったりもする。





2024年3月23日土曜日

コンビニ人間

第155回芥川賞受賞作

なんだか複雑な思いにとらわれる物語だった。

村田 沙耶香 著

ちょっと寝る前に、と読み始めたものの、一気に読み終えてしまった。

薄い本なので、2時間程度で読めてしまいます。

それにしても、、、きっと評価が分かれるだろうなぁ。

多様性が求められる昨今、他人が別にどんな考え方でどんな生き方をしても、
特に害と思われなければ、私も認めてしまうかもしれないけれど、、、

なんだか読んでいて、、、ツラかったな。

# と感じた時点で、自分がどっち側(?)か再認識できるのかも。

# 複雑だな。

しかし、所詮世は自分の意識を中心にして回っていれば、
自分の良いと思う、生きやすいと思う選択の結果で生きていくのであれば
誰もそれを否定できないと思う。

それがマイノリティであれば、ある種の生き難さもあるかもしれないけれど、仕方がないよな。

# そう自分に言い聞かせて。

彼らの今後が気にならないわけでもないけれど、

自分もそういった面もあるんじゃないか?と反省しつつ。





P.S

2時間で一気に読み終えたのは、ある意味面白かったからかもしれない。

けれど、これを面白かったと言っていいのか?

なんだか読後感がくすぶる。