2006年9月6日水曜日

突然のモンゴル人との出会い

帰りの飛行機の中で面白い出会いがありました。
韓国インチョン空港から名古屋までの空路でです。
 
私は、窓側に座り、となりはちょっと体型のデカイ男性。
なんかそわそわしてんだけれど、体が大きいから、あ~、狭いなぁ、、、と思いながら、さて離陸。
 
しばらくして、スッチャーさんが日本への入国手続き用の用紙を配りだした。
 
彼は手を出してもらおうとする。
一応、スッチャーさんも用紙を渡しながら、
「日本人は、必要ありませんよ。」と言い残して去っていきました。
 
ところがその後がどうも変。
彼は、一生懸命それを書き出す。
ん?日本人じゃないんだ。
 
それにしても記入がたどたどしい。
時間をかけている割には、ちっとも用紙が埋まらない。

よ~く観察してみたら、、、彼はパスポートと見比べながら、必死にアルファベットのパターンを確認している。
そうなんだ、日本語も英語も読めないんだ。
 
かなりの時間が経っても、埋まったのは、名前と生年月日、パスポート番号。
ん?この人どこの国の人?
ふとパスポートの表紙を見たら、モンゴル人なのでありました。
 
やがて、飲み物が配られる。
「何にしますか?」
アシスタントパーサーらしき男性が尋ねる。
日本語でたずねる。彼の反応がない。韓国語でたずねる。反応がない。中国語でたずねる。無反応。
 
私が、おもむろに教えた。
「彼、モンゴル人。」
「あ~、だめだぁ、そりゃわからん。」
でも、彼はヤカンを指差し、コーヒーをもらいました。
ヤカンの中身、知ってたのかなぁ?
 
さて、用紙記入続行。
やがて、彼は小さな小冊子を取り出した。
「日本語会話集 ポケット版」
今度は、それとパターン認識。
そんなんじゃとても埋まりそうもない。
 
で、とうとうでしゃばりおじさんが耐えられなくて動き出した。
ジェスチャーで、「その会話集、見せて!」
通じた。彼は私にその小冊子を渡してくれた。
 
受け取った私は、とにかくその小冊子に目を通した。
どこに何が書いてあるのかを急いで頭に叩き込んだ。
そして、彼の用紙に目を戻す。
 
まず、職業欄に私は指をさす。
小冊子の中から「あなたの仕事はなんですか?」を示す。
その上に書いてるきっとモンゴル語らしき字を読んで、彼はうなずいて、職業欄を書いた。
 
私は次々と用紙の枠を指差し、次に小冊子の日本語を指差す。
滞在地には
「あなたはどこのホテルに滞在していますか?」
ウンウン、、、。
 
帰国予定日には 地図上の名古屋からウランバートルへ指を動かしながら
「あなたは、いつ帰りますか?」
ウンウン、、、。
 
そんなことを繰り返して、1時間半。
二人とも食事もしないで一生懸命埋めましたよ、用紙の枠全部。
 
もう終わった時には、ピースもんだったもんね。
私と彼と唯一伝わる言葉は、たった一つでした。
「サンキュ。」
 
そのあと、みんなが回収し終わったランチを二人で食べ、、、ふぅ。
飛行機を降りる時は、別々でしたが、歩いているうちにまた会って、、、
彼が検疫の申請用紙を指差す。
私は、「イラナイ、イラナイ」とジェスチャー。
入国審査の窓口も「アンタはアッチ」と外国人用窓口へ。
 
荷物を受け取って、空港ロビーに出た時もちょっと心配だったけど、
バスの絵の看板を見て、「バス、バス」とバス乗り場へ向かっていきました。
 
彼は、ちゃんと目的の今日の宿泊地まで行けたのだろうか?
後で調べたら、彼の持っていたメモにローマ字で書かれていた行き先の住所は存在しなかったのでありました。
最後まで連れて行ってあげればよかったかなぁ。
 
P.S
写真は、彼が持っていた3ヶ国語対訳ポケットブックの1ページ。
撮影時には、ページを押さえて手伝ってくれました。
 
ただ、その内容が余りにも笑えたのでココにちょっとその例を載せちゃう。
「あなたは、何頭の家畜を持っていますか?」
「今年は、何頭の家畜が生まれましたか?」
「あなたは、一日、何回乳搾りをしていますか?」
「あなたは、一日、何リットルの乳を搾りますか?」
 
そんな例文、日本で役に立たんでしょうが!
 
 

PM 07:38:29