再びカラヴァッジョ本であります。
宮下規久朗著。
カラヴァッジョの一生がたっぷり記されています。
# といっても40年にも満たないわけですが。
しかし、よくもまぁ、ここまで詳しく書けるものであるなぁ、と
私のような素人は、本当に感心してしまう一冊であります。
西洋美術を勉強する人は、その転換点としてカラヴァッジョは避けて通れない。
けれど正直言うと、私自身カラヴァッジョの絵画を部屋の壁にかけておく気にはならない。
あまりにも生々しいからだ。
彼の人物像や絵画に対する学術的な興味はあるけれど、
彼の絵が好きか?と問われれば、返答に困ってしまう。
けれど、彼の一生のその経過を知れば、
芸術家というモノは、かくもダイナミックな人生を送りたもうものか、と
つくづく思いをめぐらしてしまうのは間違いない。
そして、多くの芸術の極みを残しながらも、
彼自身にとってとても幸せな人生だった、とは、
私には思えないのが残念である。
P.S
私のような素人には、この本を読み終えると
カラヴァッジョについて、読みつくした気になれる一冊です。