市バスに乗っていて。
バスのちょっと前の歩道を一生懸命走っている女性が目に入った。
もうすぐ次のバス停なのだけれど、そこまではまだかなりある地点だ。
バスは、普通に走っていて、やがてその女性を追い抜いた。
彼女は、このバスに乗ろうとしているのだろうか。
にしては、あまりにもバス停からまだ遠い。
そのバス停までは、まだ信号のある交差点もあるし。
バスは、次のバス停で停まった。
運転手さんも彼女が目に入ったはずだ。
乗り口のドアを開け、エンジンまでも切った。
最近は、信号待ちでもエンジンを止めるのがルールのようだ。
運転手さんも彼女の到着を待ってあげるんだろうな。
彼女は相変わらず一生懸命駆けている。
小さな交差点を赤信号を無視してこちらに駆けてくる。
“あ~やっと着いた、お疲れさん”と私が思った時、
彼女は停まっているバスの横を通り過ぎて駆け抜けていった。
そう、彼女の目的は、このバスじゃなかったんだ。
運転手さんの思いやりは、何気にスルーされていってしまったのだけれど、
こんな出来事は、日常茶飯事なんだろうな。
けど、、、もし自分が彼女の立場だったらどうしたものだろう。
自分の気持ちを運転手に伝える術はない。
そもそも自分の為に待っているのかどうかもわからない。
いやもうその時は、とにかく急いでいるのだ。きっとそんなことすら気付かないであろう。
であれば、今、伝えておくしかないな。
運転手さんへ、いつも思いやりをありがとう。
P.S
その時、、、
何も見なかった、何も知らなかったフリをしている自分は、
きっとウブ。
P.S
その時、、、
何も見なかった、何も知らなかったフリをしている自分は、
きっとウブ。