2023年6月6日火曜日

息子の部屋

2001年のパルム・ドール受賞作品であります。

もはやあらすじなんてものよりもその心象風景が問題で、、、。

イタリアの小さな町で暮らす、まるで理想的なような家族、父母兄妹4人。

ところが息子が突然事故死で亡くなる。

そこから後の家族の物語である。

正直言って、ツラい、重い。

理想的な家族であったが故に、余計にツラい。

やがて、息子にたった一日だけのガールフレンドがいたことを知り、

家族は、彼女を呼び寄せ、彼女が家にやってきたものの

彼女には、ボーイフレンドがいて、今ヒッチハイク中だという。

そして、家族は彼らを車に乗せ、フランスの国境まで夜通し車を走らせるのだった。

息子の喪失から、家族から笑顔も消え失せ、ギリギリな状態に陥ったものの

その行為は、彼らに優しさと笑顔をもたらせてくれた。

最後の海岸のシーンは、実に印象的だ。

3人がそれぞれ水際をトボトボ歩いている。

3人は全くの別の方向に向かっているのだけれど、

そこには、彼ら各自の再生と次へのステップが感じられた。




P.S

まぁパルムドール受賞作品ということであれば、

最後スッキリ簡潔完結、というわけにはいかないのは既知のことだけれど、

いろいろな評を読むと、ついつい観てみたくなっちゃいますよね。

くれぐれも心身ともに万全な状態で臨みたいものです。