2006年10月9日月曜日

女性の子育てと仕事と

仕事と子育ての両立が難しいのは、日本もフランスも変わりはない。

仕事より子供の事情を優先させなければいけない事態が、必ず起こってくる。
すると母親はまるで自分が何か悪いことをしでかしたように、罪悪感にさいなまれ、
大勢の人に頭を下げて回る。お返し不可能な借りを作った気分に陥る。
 
でも一体、母親が何をしたというのだろう。
ただ一生懸命、子供を育てているだけではないか。
そしてどんな人でも、そうやって誰かの手で育てられてきたのではないか。
そんなに謝る必要など、どこにもないのよ。
申し訳ないなんて思わなくていいの。
私は、エヴァの後ろ姿に向かってつぶやいた。
 
その時のつぶやきは、自分の声であって自分の声ではなかった。
育児をしながら仕事を続けてきた先輩たち、太古の昔、人間が誕生して以来
ずっと変わらず子供を産み育ててきた先人たちの声も、一緒にこだましていた。
 
大丈夫。何の心配もいらない。
いつか将来、小さな赤ん坊の前で途方に暮れている人に出会ったら、
この同じ言葉を掛けてあげれば、それでお相子だから。
 
  以上は、Domani11月号 小川洋子の連載エッセイからの一部引用である。
 
 
P.S
まさにその通りだよ、と私も伝えたい。
もちろん、小さな赤ん坊の前で途方に暮れている人に、、、である。

 

PM 07:46:31