とある人に奨められて観賞に至った。
主演 尾形イッセー
宮沢りえ
である。
あえて、ストーリーをちょっとだけ書く。
トニー滝谷の本当の名前は、トニー滝谷である。
イケメンでもなく、パッとしない人間がデザイナーとして素朴に働く。
そんな彼が、原稿を取りに来た女性に恋をするのである。
彼は、彼女にプロポーズする。
切々と今までのこと、彼女への想い、きっとこれからの誓いも述べたに違いない。
そして、彼と彼女は結婚する。
彼女は美しく、かわいらしく、妻としてもその働きにまったく問題はなかった。
ただ、たったひとつの問題があった。
それは、服を買い過ぎることであったのである。
彼にとっては、病的とも思われるその服の買い方に、ある日彼は彼女にやさしくそれを指摘した。
自覚もあった彼女は、そんな自分の性格を直そうともするのである。
が、突然、彼女は交通事故で逝ってしまう。
洋服用に増築した部屋いっぱいに服を残したまま、、、。
かれの落胆は、想像できよう。
そして、その後に彼がとった行動とは、、、
と、ここで書くのを辞めると、批判轟々が予想されるので、もちょっと書く。
彼は、仕事としてのサポーターを募集するのである。いわゆる秘書。
募集に際してのたった一つの条件は、妻の体型にピッタリのサイズの持ち主であることだった。
やがて彼はその採用した女性に、妻が今まで買った服を制服として着せるのである。
そして、彼の葛藤は、まだまだ続いていくのであった。
原作は、村上春樹。
私は、原作を読んでいないが、ネット上の論評では、かなり原作が忠実に再現されているようだ。
時間もいくらか短いので、洋画に食傷気味の方には、お薦めかもしれない。
# 合わない人には、合わないかもしれませんが。
けど私は思った。
素朴な人間がそれなりに真面目に生きている。
そこに人生に二回あるとも思えない事象が起きる。
それを一生懸命手に入れようとするのは、普通のことであろう。
そして、幸福にも手に入れられた。
ところが、もしそれを失ってしまったら、、、
物事をロジカルに考えていっても、回りから見れば奇異に映ることになるかもしれない。
けれどもそれは、その人が一生懸命考えた結果なのである。
何も他人が非難できることではない。
そして、物事を真剣に考えられる人間ほど、行動に幅が出るだろう。
思いも後悔も深ければ、葛藤も多いはずだ。
素朴でも真面目に生きることは、そういうことなのだ。
そんな感想を私は持った。
# うまく説明できなかったな。
P.S
私も素朴に真面目に生きている人間だと、自称思ったりもする。
彼の生き方、行動に、とても同感する部分が多かった。
彼の悲しみは深い。
しかし、人生はまだまだ続いていくのだ。