2023年7月20日木曜日

護られなかった者たちへ

フィクションのサスペンスであろうか。

東日本大震災に絡めて、生活保護問題を表に出した一品。

原作は、中山七里の長編推理小説である。

重い物語であるが、その根底は優しさと葛藤から生まれるものであった。

震災の瞬間に、救われたものと失ったものと、そしてその失うことを目の当たりにしたもののツラさ。

きっと私は想像できていないと思う。

震災後10年も経ち、記憶の風化の中から、もう一度その想像をめぐることになった。

いろいろな人がいる。いろいろな立場がある。いろいろな作業があり、いろいろな矛盾もある。

そうだよね、そんなこともあるんだね。

あらためて気づかされたことも多い。

哀しい物語であるけれど、それらをすべてひっくるめながら、
葛藤し続けながらも生き続けねばならぬ、そんな現実をあらためて思う。

ただ、私にとってひとつ残念なのは、やはり殺人が起きること。

こういった物語は、殺人抜きで描いてほしいモノである。



 
P.S

もうひとつつけ加えれば、

東日本大震災も絡めて欲しくなかった。