タイトルからなんとなくストーリーの察しが出来そうで、ちょっと気分が暗くなっちゃうかなぁ、などと思いながらも
いやいやいや余命10年って、こちらもリアルな問題でしょ、物語とはいえ知っておいた方がよくね?とレンタルショップで手に取った。
10年生存率が極めて低い病にかかっている女性の物語である。
病気が判明した年は、20歳。
そこからの彼女の生きざまである。
しかし、設定があまりにも若ければ、これからの未来のことや恋愛と様々な葛藤に立ち向かう物語であったりもする。
ただ、この物語は、、、あまりにも哀しい。
原作者は、小坂流加。
原作者自体が同様な病気だったのである。
作者は、自分の病を物語にして、自費出版で出版社に持ち込んだ。
そして、書籍化が決まり作家デビューを果たした。
更には、闘病シーンを書き加えた文庫版が刊行される3カ月前に38歳でこの世を去ったのだった。
その後、パソコンに残されていた原稿を家族が見つけ、出版社に持ち込み刊行された。
そのタイトルは「生きてさえいれば」。
二作品とはいえ、彼女は短い人生でとにかくカタチを残せたことが何よりだったと私は思う。
P.S
映画のサブタイトルは、
「彼女は最後の10年を生きる。まるで、人生の始まりみたいに」
そう、私もまた歩き始めなければ、と思う。