バレンタインデー
「先生にもひとつあげる。」
そう言って、彼女は私に手作りのチョコクッキーをくれた。
学校帰りの彼女のカバンの中で、たくさんのチョコがガサガサ音を立てている。
「もてるんだな。」と言うと
「全部女子からのです。」
聞くと今日は、学校でみんなでチョコの交換会の様相だったようだ。
彼女は、今勉強を始める前に、ひとつ口に入れようか迷っている。
「今日、もうかなり食べちゃったんでこれ以上は、、、ヤバいな、太るな。」
そんなことを気にするんだな、と私は思う。
「バレンタインデーなんて、相手の太らせ合いイベントな感じがします。」
笑えた。
先日はこうも言っていた。
「この前の模試で会場でつくづく感じました。うちの高校の顔面偏差値は、、、高い。」
“顔面偏差値”という言葉に大笑いしてしまった。
「顔面偏差値と学力偏差値の関係はどんな感じ?」
「反比例。」
もう笑いが止まらなかった。
「でも歳を取って感じるのは、頭のいい教養のある人にブスはいない、って思うぞ。」
「なるほど、確かにそんな気がします。とりあえず勉強頑張ります。」
とりあえず話の流れを戻せてよかった。
P.S
高校の頃、男子校だった私には最近の高校生活なぞ想像もつかないけれど、
まぁ学校生活が楽しく過ごせているならなによりである。