2022年8月31日水曜日

アラビアのロレンス

今回は、3回目の鑑賞である。

もう半世紀以上前、そう、私が小学生の頃、父に連れられて映画館で観た記憶が最初である。

正直言って、ショッキングな場面ばかりが記憶に残っていて物語としては、把握出来てなかったと思う。

ただ、3時間半にもわたる映画であっても、特に飽きることなく観た記憶もある。

で、大人になってから、ちゃんと観直そうとまた観た記憶がある。

けれど、60歳を過ぎてから、中東の歴史をちゃんと勉強することがあって、
そこには、やっぱりこのアラビアのロレンスの存在がちゃんとあって

歴史のバックグランドの知識を身に付けた上で、もう一回この映画を観直そうと今回の鑑賞に至ったわけで。

まぁさすがに3回目ともなれば、どのシーンも記憶がある。

物語についても、中東の歴史を身に付けた後であれば、それなりに観方も変わろうモノである。

けれど、、、けれど、、、残念ながら、やはり映画はエンターテインメント向けであることが否めない。

そんな中東の歴史なんか知らなくても充分に楽しめてしまうように構成されているわけで。

だから、アラビアのロレンスがどういう人間だったかは、映画なりに把握は出来ようものの 、その複雑な立場や周りの情勢、それに伴う心の揺れ動きなどが、どうもうまく表現されていないような気がして残念である。

もっともこちらのロレンスに対しての知識も、そんなに深く正確なわけでもないのだけれど。

そういう意味では、この“アラビアのロレンス”は、やはり単なる映画であった。

中東での複雑な事情は、この映画ではなかなかわからない。

そもそもこの映画は、イギリス映画である。
ロレンスが英雄(?)というよりも奇異な人生を送ったのも事実であろう。
それを映画化するのは、わからぬものではない。

けれど、今の中東のゴタゴタの大きな起因がイギリスにあることの自覚があるのかな? 

この映画が公開されたのが1962年。
その後、50年も経っても未だ解決されていない中東の状態。
どうもその辺がモヤモヤした構成のような気がするのは私だけでしょうか。

だから、背景があいまいなままで、アラビアのロレンスってどんな人?という意味での、 この映画の鑑賞は、あまりおススメできないような気がした。




P.S

まぁ、私にとっても、もうこの人生でこの映画を二度と見ることはないだろう。

やっぱり映画って、、、エンターテインメント以上のモノを求めてはいけないのかもしれないな。