さて今回の一番メインイベント感のある軍艦島上陸クルーズであります。
嵐の夜から一日おいて、気持ちのいい日でありました。
これなら外海に出ても、酔ったりしないよな。そんな日。
長崎市端島見学施設利用券を310円で受け取って
# 半券は上陸時にいただきます、ということで大切にカバンに入れて
クルーズ用の船に乗って、いざクルーズスタートです。
まずは、高島町を目指します。
船内では、三菱重工業長崎造船所やカトリック神ノ島教会など
いろいろな見どころがスピーカから流れてきます。
# なので、行きは右舷に座った方がいいかもね。
と、なんと護衛艦“あがの”の後ろ姿ゲットぉ。
# まだ産まれたてのホヤホヤなんだよね、きっと。
やがて、高島に到着、上陸。
高島石炭資料館を見学。
軍艦島の模型でいろいろ解説を受け、ただただ感心するばかり。
さて次に向かうは、期待の軍艦島(端島)。
クルーズは5社ほどあって、各社上陸時間の割り当てがあって、
その時間まで軍艦島の周囲を回ります。
ここから見た姿が軍艦に似ているから“軍艦島”と命名されたとのことですが、
さて、上陸に際しては、以下の2点の条件が満たないとダメとかで、
・天候や波高による規定値内であること。
・その他、上陸に際して安全が確保できるかの船長判断。
今回は、無事桟橋に横付け、船の前後のロープも固定され、
という時、桟橋側の人がロープを解き始めた。
「うっそぉ!」船全体に拡がる喪失感と残念感。
# 妙に船上が沈黙に包まれたのを感じたのは私だけではあるまい。
その後、少し余った時間をまた軍艦島周囲巡りに使い、一路長崎港への帰還となりました。
遠くに見えた他の船も上陸を諦めていたようなので何となく諦めもつきましたが、
接岸まで行ったってことは、天候の条件はクリアしていたことになるのでしょうか?
だとすると船長判断で断念?
# 「このぐらいの揺れなら、私はタラップ渡れるよぉ!」という私の心の叫びは船長には伝わらない。
まぁ搭乗客すべての安全を鑑みての船長判断なのでしょうね。
今月の上陸率は、約51%と事前に聞かされていましたが、
やっぱ半分程度の確率では私の運は、良い方には転ばないんだなぁ。
# 日頃の行いをつくづく反省です。
帰港後、見学利用券を返却して310円は返金されました。
記念にもらっておこうか迷いましたが、それもなんだかなー。
まぁでもあそこまで近づけたのだから満足です。
最近、VRで軍艦島を自由に歩けるのですが、いまいちイメージがボヤっとしていましたが、
これからは、本物をイメージできそうになったのが今回の一番の収穫かもしれません。
P.S
軍艦島を初めて意識し出したのは、遥か昔、村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」を読んでからだったと思う。
それを読みながら、まるでSFの世界のようでもありながら、それが現実にあった世界だと知って、私の興味は膨らんでいった。
そして、今回やっとそれを直接見ることが出来て、その想像だにしていなかったことも知って驚きを隠せない。
旅から帰ってきて、あらためて本棚から「コインロッカー・ベイビーズ」を引っ張り出し、もう一度読んでみようかと思って、冒頭の一行を読みだして、その一行に驚く。
今時は、、、こんな文章が許されるのだろうか?
そんな思いを抱いてしまうこの数十年の時代の変化をも感じてしまうことになった。