2008年3月15日土曜日

レンブラントの夜警


私は、レンブラントが好きである。

まぁ、好きというよりも、興味がある、といった方が正解かもしれない。
西洋の美術の中で、実に光と影の使い方が巧みなのである。

私は、勝手に想像するのだ。
まだ、電気がなかった頃、室内は、かなり暗かったはずだ。

昼は、窓からの光を取り入れ、夜は、ロウソクの炎に照らされての生活だったはずだ。
それをそのまま描こうとすれば、レンブラントの絵のようになるんだろうな、と想像するのが楽しい。

まぁ、現実に見えるものは、こうもきれいなものではないのだろうけれど、
今と違って、照明がなければ、自然な光を使って、何らかの演出に工夫するのが
とても素敵に思えるのだな。

ここなんか、ほんとうに神々しかったんだから。

# いかん、話が映画に行き着かない、、、。

さてこの映画、レンブラントファンとしては見逃せない。
レンブラントは、当時、とても有名だったのだ。
大きな工房をかかえ、多くの弟子達を使って、たくさんの作品も残した。

# 作品の中には、自分が全く手をつけなくても、サインだけした、
# という作品も多かったぐらいである。

当然、その時代では、裕福で優雅な生活を送っていたはずだ。

が、何故か、没落してゆく。
妻を早く亡くし、借金だらけになり、息子にも先立たれ、悲惨な最期を遂げる。

まぁ、この「夜警」を描いた頃から、下降線をたどりだしたために、
この絵が、その没落の原因とした物語が、今回のこの映画である。

もっとも、最近、この説は、正しくない的に見る方が主流になっているそうで
そういう意味では、自身が美術作家というこの監督の思いを映画化したものであろう。

映画のシーンは、殆どが暗い。
また、外から差し込む光と回りの暗さで演出しているこの映画の構成は、
この監督のレンブラントの世界の表現に従おうとしていることが推測できる。

確かに、まるで絵のようなカットも何箇所かあって、
絵的には、なかなかうれしい映画であった。

まぁ、お奨めか?と言われると、正直、ハイとはいえないけれど、
私は、観て良かったでした。

# ふぅ、何とかネタバレは避けられた気がするな。


P.S

映画館は、ガラガラだった。

印象的なのは、インテリ風の熟年カップルや大学教授っぽい人種が、パラパラと。
後は、美術マニアっぽい若い女性とか。(また勝手な偏見を書くぅ、ダメダメ!)

私は、場違いだった。ってか?

# ふんっ。