2006年8月14日月曜日

皇帝ペンギン

真夏の暑い日に南極の映画を観るのは、やはりちょっとだけ涼しくなる。
 
それにしてもこの皇帝ペンギンの本能は、哀しい。
-40℃の極寒で生きるこの生物に、どうして神はこんな習性を与えたもうかと、ちょっと神を恨みたくなる。
 
短い歩幅で、子孫を残すために、南極大陸を横断する。
道中に食料はない。
体内に蓄積されたものだけを頼りに何十日も歩き続ける。

そして、安住の地での交尾、出産。
卵を父親に託して、母親は食料を確保にまた何十日もかけて海に戻る。
 
母親が戻ってくると、今度は父親が海に戻る。
その遥かな移動は、あまりにもつらそうだ。
 
夫婦になって、出産をし、けれど二人が一緒にいる時間は短い。
どちらかが真っ白な極寒の中をいつも歩き続けていることになる。
 
世の中の生物連鎖は、異種に食われることにより、その個体数を減らし、調節されているものが多かろう。
されど、彼らの敵は、まずは寒さである。
母親から父親に卵を渡す時、暖め続けながら、一瞬で渡す。
もたついて数十秒も経てば、卵は凍ってしまう。
ヒナにかえってからも、寒さとの戦いは終わらない。
親は、集まり暖めあう。
ブリザードを避け、何十日も食することなく、ただヒナを寒さから守る。
 
そんな習性をみていると、なんて人間の幸せなことか。
なんて人間は、自由な生き物か。
そんなことを感じざるを得ない。

この映画、お奨めかどうかわからない。
観ていてツライのだ。

けれど、今ある自分の幸せを再確認するには、いい機会になる映画かもしれない。
公式ホームページは、こちら。

P.S
しかし、、、思うに、、、
ある意味食物連鎖の頂点に立ってしまった人間は、
その個体数の調整が、戦争や交通事故や自殺やテロなどによって
わが身の同種同士で行われているとしたら、

これ以上に哀れな生き物はないな。
 


AM 11:56:26