2022年5月17日火曜日

時代屋の女房

古い映画ファンの方なら、一度はこのタイトルは耳にしたことがありましょう。

で気になり続けてた一本。
で、やっと手にしました。

時代屋の店舗自身は、実在したんですね。

原作は、いろいろ長いエピソードがあるのでしょうが、 この映画の物語は、観ていてツラかったなぁ。

冒頭、美女が野良猫を連れて、フラッと時代屋の店に訪れる。

そして、そこに居ついてしまうんだな。

結果、外から見れば、まるで夫婦のようになる。

ところが、ある時、フラッと居なくなる。
ところが数日経つと帰ってくる。

そんなことが何回も起きる。

そんな時に待つ方の身は、実にツラい。
店の主人は、どこに行ってきたのかを追求しない、、、
それエライっていうの?

観ていて実にツラい。

まぁ、最後は、とりあえずのハッピーエンドっぽく終わっているけれど、
この主人公は、今後もそんなことに悩まされるんだろうか?

信じ切っているのか、諦めているのか、
それともどうでもいいと思ってなきゃ、
その後も付き合っていけないよなぁ、

と私は、つくづくその苦しみを思ったりするのでありますが、、、。

それにしても懐かしい名優が脇を固めている。
明らかにその誰もが、やはり名優だった。

1985年の製作であれば、まさに昭和の世界。
今となっては、35年以上も前の映画であるけれど、
藤田弓子以外は、全員鬼籍に入ってしまっているのがなんとも哀しい。

物語は、なんとも複雑な感が否めない作品だったけれど、
タイトルだけは、名を残している理由がなんとなくわかったような気がした。



P.S

はるか昔、そう50年位前、、、中学生の時だったな。

住んでいた家の縁側にフラッと野良猫が現れた。

妙になれなれしかったその猫にフト夕飯の残り物をあげた。
 
やがて、何気に居つくようになった。
が、こちらも飼っている意識はない。
タイミングが合えば、餌をやったりしていた。その程度の関係。

# 今どきは、許されないんだろうな。昭和の時代である。

次第にだんだん家の中に入ってくるようになり、
夜には、私の布団の上で寝てたりもしていた。

いつかまるで飼い猫のようになっていた。

ある時、そこを引っ越すことになった。

すると、その猫はそれを察したのか、家に来なくなった。
心の中にポッカリ穴が空いたような気持になった。

思わず近所を探し回った。
 
数日後、遠く離れた草むらにうずくまっている猫を見つけた。

うれしかった。

けれど、引っ越しには連れていけなかった。

私が探した理由は何だったんだろう。
今から思えば、ちゃんと別れる挨拶がしたかっただけなのかもしれない。

だから、、、この映画は、、、ツラかった。