2022年5月21日土曜日

償い 矢口敦子


かなり前に買った小説である。

# 10年も前のような気が。そんなことはないか。

買った理由は、覚えていない。
たぶん本屋さんでの平積みとポップのせいだろうと推測。

やっと時間ができたので、ふと読みだした。

# ま、ネタバレは避けねばならぬかな。

深く読めばとても深いテーマに行きつこうものであろうけれど、 じゃぁどうすればよかったのよ、と感じてしまう私は単純過ぎであろうか。

残念ながら、人生は運命に流れるように進む。
その時点でどちらの道を選ぼうか、その後のことはわからない。
その一瞬一瞬を精一杯生き抜くしかあるまい。

その結果として訪れたことは、やはり受け止めなければならないでしょう。
仮に今行う行動が間違っていようとも、そこに導かれたのには理由もあろう。
 
正しいことであろうとも、たとえ間違ったことであろうとも
そこに行き着いた状態をたやすく否定できるものでもなかろう。
各々の行動には、それなりの理由があるわけだから。

だから、「償う」ことになる。

それは、仕方がないことじゃないのか?

そんな感想を持った。

おススメ度は、残念ながら、私としては、高くはできないな。


P.S

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僕は、ヒトという動物がどうして余分なのをいろいろいろいろ身につけてしまったのか、

不思議でならないんです。(身につけたものによってヒトは)なにを得たんでしょう。

失うことへの不安、得られないことへの不満。

(中略)

ボノボやチンパンジーのように、ヒトも適当なところで知性の発達をとめて、

生まれ故郷から出てこなければよかったんです。

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以上は、作中からの抜粋である。

確かにね、と私も思う。

けれど、無理なんだよ。
チンパンジーも進化し続ければ、いつかヒトのようにもなる。

いや逆に、何万年も先の人類からしてみれば、
今の時代ぐらいで止まっていれば良かったのに、と思われることにもなるのじゃないか?

そんなことを思う。

逆に

過去の知性の未発達状態の方がいい、とか
遥か未来の高度知的状態の方がいい、とか

それじゃぁ今が最悪なことになる、という考え方は、
私は好きじゃないのですけれど、、、ねぇ。

いつも、生きている今が一番いい、
 
そう考えていたいじゃないですか、、、ねぇ。