2022年5月3日火曜日

あさきゆめみし 大和和紀

あさきゆめみし

大和和紀著

コミックであります。

塾講師をしていた頃、古文の授業で源氏物語を読んでいる学生から

「この部分、いったいどういう状況なのか全く想像できませんっ!」

って悩み迷う学生が何人かいて、

「んじゃとりあえずココ数ページ読んだら?」
 
と、このコミックを紹介したりしたものである。

まぁそれですべて解決するはずもないのだけれど、
まったく想像だにできなかったシーンがとりあえずマンガでも表現されれば、
とりあえずその場のシーンはイメージできるというものであろう。

で、私もそんな質問の際にすぐにココって示すことができるように
せっせと帖のタイトルを付箋に書いて、それぞれのシーンに貼り付けておいたものであります。

# でも3巻あたりでメゲたな。
# だってそれ以降ってほとんど教科書に出てこないんだもん。

まぁ原文では難解な源氏物語もコミックで読んでしまえば、
あれよあれよと読めてしまえるものであろう。

源氏物語のとっかかりにでもなれば、授業の副読本としてもいいかも。

だけど、ちょっと気になるのは、どこまで本物に近いかってことがイマイチ不明。

はるか昔のことであれば、作者もいろいろな文献で調べて
当時のイメージを想像で描いてるにしか過ぎないのでしょうから
そのシーンがどこまでが正しいのかは不明である。

# もっとも誰も正確なことは言えない状況でもあるのでしょうが。

しかも、その後、源氏物語に接するにつけ、ついついそのマンガのシーンを思い出してしまう。

本来、小説って、自分なりにイメージを持てばいいのに、、、ね。

# マンガとは、強力なものである。

まぁでも、これが源氏物語の魅力にとっかかるきっかけになればいいと思う。

こんな情景も心象も描かれている小説が今から1000年も前に書かれていたとは、
本当に信じられないよね。

私もつくづく思ったりもする。


P.S

マンガ自体が女性作家であれば、やはり女子向けのコミックとなってしまう。

「私も全巻持ってます。小学校の頃から何回も読みました。」

そんな女子高校生も何人かいた。

けど、、、素朴に私は思うのでありますが、、、

小学生に源氏物語って、、、内容的にちょっと早くない?

と、初心なお爺ちゃんは思うのですが。

そうそう、このコミックの一番の欠点は、
美人の顔がみんな似通ってたりすること。

美女達の顔に違いが見られなくて、
その識別が難しいこと、それに尽きる。

若いコミック慣れした女子には、
そのあたり問題にならないのかなぁ、、、。

お爺ちゃんには、この“あさきゆめみし”は、、、
 
ちょっと遅かった、、、かもね。