百田尚樹著。
前回読んだ百田作品がどうにも後味悪かったのでリベンジで選んだ一冊。
# またブックオフで10円で。
いやぁ面白かった、実に。
マリアというのはオオスズメバチである。
そうこの物語は、オオスズメバチの物語なのである。
女王の巣の中で生まれ、メスばかりの世界で生まれながらに戦士として生きてゆく。
寿命は、約30日。
日々他の虫を狩り巣に持ち帰る。彼女は、強敵と戦う。集団戦でも戦う。
たまに出会った虫たちからは、その生き方に疑問を呈してちょっと考え込むこともあるけれど、
彼女自身は、恋もぜず、交尾もせず、自分で子孫を残すことをせず、戦いのみに生きる。
その徹した本能の意思には、清々しささえも感じてしまうけれど、
その一生は、なんだか淋しくもある。
けど、生きるということはどういうことかを改めて考えさせられたりもするんだな。
しかし、百田氏は一種の虫でこういったドラマに仕立て上げられるのがすごいなぁとつくづく。
人によって、この物語の見方が違ったりもするのだろうか?
そんなことも思う。
P.S
是非、他の生き物でもお願いします。→ 百田氏。