別冊NHKこころの時代 宗教・人生
すべてには時がある
旧約聖書「コヘレトの言葉」をめぐる対話
若松英輔氏と小友聡氏との対話集である。
# 私は、若松氏のファンで。
まぁあへて「コヘレトの言葉」についての解説は避ける。
私のような者は、とても正確に伝えられないような気がするから。
何か誤解をされてもいけないと思うから。
けれど、実に多くの課題について書かれている。
ただ、私も常々思っていることがある。
生まれつき運のいい人間がいる。
生まれつき運の悪い人間もいる。
それは、ひとつの事実だと思う。
では、その不公平をどう解釈するべきか。
そんな思いに、ひとつの考え方を提示してくれている気がする。
「今ある状態、それ以外は、しゃぁ~ないじゃん。」
そんな納得の仕方も有りだと思う。
# やっぱりダメだな。誤解されるな。
「朝に種を蒔き、夕べに手を休めるな。
うまくいくのはあれなのか、これなのか
あるいは、そのいずれもなのか
あなたは知らないからである。」
だから、先のこともわからないなら、とりあえず今を生きよう。
閉塞感漂う現代であれば、
とりあえずある今を支えてくれそうな「コヘレトの言葉」でありました。
P.S
育ってきた環境もあり、私の若い頃は、極めて面倒な考えを持つ人間だった。
だが、ある時、その面倒さに負けた。
人間だって動物なんだから、
クソ面倒な考え方をやめて、もっと動物的に生きよう。
真にそう思った。そして、生き方を変えた。
結果どうだったか。
以前より、より良く生きられたのか、より悪い状態になったのか。
人生が一度きりなのであれば、その比較はできないけれど、
そうやっていろいろ考えて生きてきた結果であれば、
どんな人生であれ、
その時選んだことの結果の今であれば、
それもまた仕方がないことなんだと思う。
そして、また
「今ある状態、それ以外は、しゃぁ~ないじゃん。」
私は、やはりそこに帰結する。