2023年7月14日金曜日

傲慢と善良

辻村深月著である。

ちょっと厚めの本で、これ読み切るのにどのくらいかかるかなー、と読み始めたら

止まらなくなって、二日で終わった。

いやぁ、恐るべし辻村深月である。最近人気の理由がよく分かった。

その特徴は、あえて“あとがき”から引用すれば、

その“解像度”の高さにある。

情景、心象、会話、そして、思考、、、すべてにその表現内容が実に細かい。

ちょっと繰り返されてしまう分部もあったかもしれないけれど、

それらがすべて提示されていて、起きている事象に関して、
ほとんどすべて語りつくされている感がある。

したがって、読んでいて、読んでいるこちら側が本の世界にすっぽり入ってしまうことになる。

それは、こちらの思考を乗っ取り、ただただその世界に乗せられて話を進められていく状態は、

ある意味、小説を読む醍醐味のような気がしないわけでもない。

# それが本当に良いのかどうかはまた別問題かも、だけど。

ただ、だからこそ、止まることなく読み続けてしまえるのだ。

ジャンルは、恋愛モノ?サスペンスモノ?推理モノ?

また、死者も出てこなければ、決定的な悪者が出てこないのも嬉しい。

いや、読んでいて楽しかった。

いろいろ語り合いたくて、ついススメたくなる一冊である。


P.S

とまぁネタバレを避けて書いてきたけれど、、、

私の結婚観は、この小説とは、だいぶ違っているような気もするので、

だから、嫌悪感なく楽しめたのかもしれない。

ツラい人には、ツラい内容かもなー。エヘ。