もう半世紀前のことである。
大学生だった私、いつものようにアルバイト先に向かうと、今日は「これやってきてよ」と紙袋を渡された。
「これ終わったら一日分のバイト代払うから。」
中にはハガキよりもちょっと小さなサイズのチラシが。
# 確か3000枚だったと思う。
「ここにくるお客さんは、○○方面の人が多いからそっちの方に入れてきて。」
車も自転車もなく、ただ歩き続けてポストにチラシを入れ続けた。
一軒一軒戸建ての郵便受けに投入してもちっとも減らない。
たまにアパートやマンションがあったりすると、そこでまとめて入れられるのだけれど
それでも何十枚もこなせるわけでもなし。
マンションなどに“チラシなどを入れないでください。”などの張り紙があったりすると
ガッカリした記憶もある。
# マジメな学生であります。
てっきりいつもの仕事と思って、Tシャツ一枚の上半身で、
今にも雨が降りそうな台風前の風の強い日で、
結局、1日中投函し続けた。
ノルマは達成できたけれど、次の日風邪で寝込んだ、そんな想い出。
今は、“ポスティング”って言うんですね。
その大変さは、私なりに知っているつもりです。
P.S
写真は、我が家に投函されていた5枚のチラシ。
一か所に同じチラシを5枚も投函してゆくなんてひどいなぁと思う。
しかし、ポスティングの効果って如何ほどのものなの?
この21世紀になってもポスティングが続いていることがなんだかなー、
と思ったりもする私はいろいろな意味で世間知らずかもしれない。