2006年1月6日金曜日

うれしい懐かしい夫婦。

下り新幹線でのことである。

名古屋から私の隣に中年夫婦が腰掛けた。
ふたりはブツブツ言いながら席に座ろうとする。
3人掛けの一番窓側で私は、本に目をやっていた。
しかし、その夫婦、、、実に懐かしい二人なのである。
そのやり取りのひとつを書く。


夫「おい、さっき買った新聞よこせ。」
妻は夫に、たった今ホームで買ったであろう真新しい新聞を夫に渡す。
夫はそれを受け取ると床に敷いて靴を脱ぎ始めた。
妻「あっ!だめ!もったいない。まだちょっと読んでからっ!」
妻はそう言って夫から新聞を取り上げ読み始めた。
けれど、その新聞は、スポーツ紙。
一面の記事も後半の釣り記事やエッチ記事は、どうにもその奥さんには似合わない。
二人にとってそれは、明らかに床に敷いて、靴を脱ぐために買った新聞である。
一面を妻がしげしげと眺めている間、夫は黙って待っていた。
やがて2面も通り越し、3面に妻の目が行った途端、すかさず夫は、
「1面だけよこせ。」
それを床に敷いて、靴を脱いで新幹線の中でくつろぐ夫。
新幹線の中で新聞を敷いて、靴を脱いでいるシーンも懐かしければ、
その夫婦のやりとりがとても懐かしく感じられたのはなぜだろう?
いえなにそれだけのことです。


P.S
でも本当に、私はとても懐かしい雰囲気に包まれました。
そう感じたこちらの方に問題有りかしらん?


PM 10:31:24