20年ほど前、サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフで購入。
通りを歩いていたら、何故か目に留まった。
まだ、私も若かったはずだ。
でも、その時、私は思った。
「雨風をしのげるささやかな家と
自分が生きていけるだけの漁ができる道具。
多目に獲れた日には、お酒を買おう。
食べ残したものは、カモメにやろう。
人生最後のひとときには、これ以上に何を望まん?」
されど今までの私の人生。
転職も経験した。
マンションも買ったし、小さな一戸建てにも住み替えた。
子供を塾に追い立て、会社では上司と呼ばれる立場にもなった。
知らないうちに欲に駆り立てられ、
我を忘れて走っている自分に気がつくことがある。
それで自己嫌悪に落ち込むつもりはないけれど、
あの若き日に思ったことも
決して間違いではないはずと、私は今も信じ続けている。
PM 07:33:49