2004年8月28日土曜日

カメの旅立ち

今日は、朝からあまり餌を食べなかった。
「今のうちにしっかり食べておきなよ。」
私のそんな思いは伝わらなかったようである。

いつもよりもしっかり甲羅を洗ってやった。
いつもは、嫌がって暴れるのに、今日は、いやに静かにしていた。

旅立ちが不安なのはわかる。

でも、おまえは、飼い主の私よりも長生きするはずだ。

私が逝ってしまった後も
おまえは一人で生きていかなくてはならないのだ。

安心しろ。
おまえの仲間はいっぱい居る。
これからは、彼らとうまくやっていく術を見つけなさい。

餌も今までのように与えられない。
自分で見つけなければいけない。

でも、おまえの仲間たちは、とうにその術を身に付けている。
不安になることはない。彼らから学べばそれでいいのだ。

苦しい時には、私を恨むがいい。
飼い主として非力だった私は言い訳はしない。

されど、未来に向かって生き抜きなさい。

人間の人生は、7~80年。
おまえの人生は、その何倍もあるはずだ。

10歳そこそこのおまえは、まだ遥かなる未来がある。

波乱の未来かどうかはわからぬが、
私は、ただただ、おまえの幸せを願っている。


身勝手だが、「さようなら」は、言わない。

じゃ、また。


名前もろくに付けてやれなかったきみへ。

P.S

今度会うときは、あの世だね。
先に行って待っているから、私と離れてから
どんな人生、カメ生があったか聞かせておくれ。


AM 12:57:06