今日は、朝からあまり餌を食べなかった。
「今のうちにしっかり食べておきなよ。」
私のそんな思いは伝わらなかったようである。
いつもよりもしっかり甲羅を洗ってやった。
いつもは、嫌がって暴れるのに、今日は、いやに静かにしていた。
旅立ちが不安なのはわかる。
でも、おまえは、飼い主の私よりも長生きするはずだ。
私が逝ってしまった後も
おまえは一人で生きていかなくてはならないのだ。
安心しろ。
おまえの仲間はいっぱい居る。
これからは、彼らとうまくやっていく術を見つけなさい。
餌も今までのように与えられない。
自分で見つけなければいけない。
でも、おまえの仲間たちは、とうにその術を身に付けている。
不安になることはない。彼らから学べばそれでいいのだ。
苦しい時には、私を恨むがいい。
飼い主として非力だった私は言い訳はしない。
されど、未来に向かって生き抜きなさい。
人間の人生は、7~80年。
おまえの人生は、その何倍もあるはずだ。
10歳そこそこのおまえは、まだ遥かなる未来がある。
波乱の未来かどうかはわからぬが、
私は、ただただ、おまえの幸せを願っている。
身勝手だが、「さようなら」は、言わない。
じゃ、また。
名前もろくに付けてやれなかったきみへ。
P.S
今度会うときは、あの世だね。
先に行って待っているから、私と離れてから
どんな人生、カメ生があったか聞かせておくれ。
AM 12:57:06