料金未納の家を訪れて、
料金の支払いを促すが、
それでも払わない払えない家の水道の元栓を締めて回る水道局員の物語。
ある家では罵声を浴び、ある家では滞納を乞われ、それでも4か月以上の滞納となれば、仕方がなく停栓して回る。
そんな彼らが、親が出ていってしまった幼い姉妹と出会う。
姉妹は、公園で水を汲み生活する。
やがて、姉はスーパーで万引きを始める、、、。
水道局員側にも私生活があり、それらが絡まって物語は進んでゆく。
そもそもメンタルが強くなければできない仕事だ。
そして、各家庭を回れば、水道料金滞納の裏に哀しい現実と接することもあろう。
この映画は、解決策を提示しているものではない。
けれど、世の中にはきっとこういう現実もあるのだろうな、と想像を掻き立ててくれる作品である。
わずかでも、物事が好転しそうな様子で終わってくれたことに幾らか救われた。
P.S
「電気は作っているけど、水道は元からあるただの水だろ」というくだりがある。
けれど、その水を清潔に処理し、パイプで家庭まで送るための設備とその維持作業があれば、
いくらライフラインといっても、無料に出来るものでもないことも事実だ。
自販機のジュースは、密閉性が高く軽い便利なペットボトルの中に入れられ、
お金の授受ができ、おつりも出せ、破壊しがたい箱に入れられ、天気にかかわらず24時間温度管理がなされ、、、
そんな状態を維持するためには、ジュースの正味の値段よりもそのためのコストの方が高いんだぞ、と聞いたことを思い出した。
ものごとを、感覚的に捉える危うさを感じたりもする。