2006年5月7日日曜日

冷静と情熱のあいだ

私の大好きな恋愛映画である。
映画の後で原作も読んだ。
2冊セットで450ページほどになる。
辻仁成がオトコの方からの想いを書き(blu)
オンナの方からの想いを江国香織が書いている。(rosso)
いろいろなところで、映画が原作と違う。原作の方がいい。
そんな論評が多いが、私は、映画の方が好きである。
監督は、ブルーでもなく、レッドでもなく、バイオレットを目指した。
と書いているけれど、ならばこのバイオレットが私は好きだ。
なぜ好きか?
なかなか言葉では言い表わせない。

ちょっとだけ軽くストーリーを書く。
(表現が下手なので、是非映画を観て下さいね。)
 
彼らは出会い恋をした。
まるで子猫がじゃれあうような恋の中、
彼らは何気なくひとつの約束をする。
10年後の彼女の誕生日にフィレンツェのドゥオモに登ろうというのである。
だが、ある日突然の喧嘩で別れることになる。
もちろん彼らは不本意であったが、誤解も環境のせいもあり、
成り行き上しかたなく別れることになるのだ。
 
さて、その後の10年間。
人生も10年もあれば、さまざまなことが起こる。
お互い他の異性とも出会えば、恋にも落ちる。
けれど彼らは、その約束をどうにも忘れることが出来なかったのだ。
 
10年も会わずに約束なんか覚えていられるだろうか?
きっと覚えている訳がない。きっと来る訳がない。
お互いにそう思いながらも彼ら別々に来て、彼女の誕生日の当日にドゥオモに登るのである。
 
そして、そこでなんと二人は劇的な再会を果たすのである。
パンパカパ~ン!(とりあえずハッピーエンドじゃん!)
だが、ここでこの映画は終わらない。
10年間の間には、あまりにも多くのことが有り過ぎたのだ。

しばらくの間、フィレンツェで時間を費やすものの、
二人のお互いの思いも繋げられぬまま、また二人は別れてゆくのであった。
 
が、、、。
と欲求不満がちになりそうなところで辞める。
安心してください。この映画はハッピーエンドです。
 
なぜ私はこの映画が好きか?あえて書けば、
10年間、お互いが会わずとも想い続けるその気持ち。
相手を気遣う葛藤や他の異性からの気持ちも最終的には棄ててまで
想い続けるその行為が、私には、あまりにも哀しかった。
 
けれど、それ以上に嬉しくもあったのだ。
10年は長い。その時間に負けなかった二人は、本当のカップルであり、
寄り添うべき一生の伴侶にふさわしいカップルに思えて仕方がないのである。
 
人間には、赤い糸は見えない。
いったい人類の何パーセントが赤い糸を手繰り寄せられているのか?
私は、甚だそんな疑問を持っている人間である。
彼らを繋ぐその赤い糸の強さと、
それをやっと手繰り寄せられたカップルをそこに見た気がするのである。
そして、この映画を観て、妙に安心して、ホッとするのである。
なんかうまくかけなかったのが悔しい。
とりあえずHPは、こちら。(←は、もうありませんでした。)


P.S
今日は、大切な記念日として、これを記しておこうと思った。
恥ずかしいので問い合わせ不可。


AM 01:43:19