2011年10月16日日曜日

一命

哀し過ぎる。
あまりにも哀し過ぎる。

そもそも”狂言切腹”なるものは実在したのであろうか?
確かに映画中の話を聞けば、有り得そうな気もしないわけではない。
しかし、もしあればあったで、それでは武士も情けなさ過ぎる。
 
私は、いつも思うことがある。
武士の哲学、武士の倫理観、、、決して嫌いではない。
いや、どちらかと言えば、好きな方だ。
 
しかし現代、それは、あこがれるべきモノ、目指すべきモノであって、それを行動に移すには、高い壁があったりすることも多い。
時代が変われば、ある意味、当然のことだ。
 
しかし、この映画を観て思った。
そもそも武士として生きるのは、今も昔も大変なことなのだ。
 
さらに、その時代の体制や、その結果としての貧乏などが加わると
どうにもならないことも多々あったであろうことは容易に想像できる。
 
それに比べて、最悪でも生活保護システムがある現代は、なんて進歩したんだろう。
そもそも今の自分は、なんて恵まれているのだろう。
そんなことを無理やり感じさせてくれる映画である。
 
あまりにも哀し過ぎるので、お奨めしたくはない。
けど、私には、一生のトラウマになりそうな物語であった。
 
P.S
私は、どちらかというと、主演の海老蔵や瑛太が好きではない。
が、このストーリーのものすごさに、彼らを嫌悪しているヒマもなかった。
 
そういう意味では、演技者としての彼らに、私はしてやられてしまったのかもしれない。
ちょっと悔しい。
 
PM 09:19:21