この手の青少年少女たちの物語は、あまり好きではないのだけれど、
つい手に取ってしまったんだなぁ。
このタイトルが妙に気になるし、娘も遥か昔、合唱部であったこともあって、
当時垣間見れなかった学生時代に思いを馳せることが出来たりするのか?と。
けれど、今どきの物語であれば、主役をなす先生も生徒たちも結構重い状況に置かれたキャラだった。
アンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」をモチーフに中田永一が小説を書き、
それを映画化したものだそうだ。
ただ、ちょっと厳しく見させてもらうと、
先生や生徒の想いや行動にどうも不自然さが漂っていてなんとも複雑な思いにとらわれた。
けど、この手の映画は、やはり若い人たちにも向けたものであれば、
こういった演出でもいいのかなぁ、とも。
まぁ、いろいろ意外な伏線回収が、私には良かったでした。
合唱モノには、どうも涙がチョチョ切れやすい気がするのは、
やはり音楽のなせるワザでしょうか。
ちなみに、どうもこのタイトル“くちびるに歌を”と耳にすると、
小学生の頃に読んだ“くちびるに歌を持て”を思い出してしまうけれど、
全然関係はなかった。
そのぐらい“くちびるに歌を持て”という話も小学生には強烈な印象を残す物語であると思うんだけどな。
P.S
こんなセリフが出てくる。
.......
拝啓、15歳のみんなへ
本音を言うと、私はあなた達のことが嫌いでした。
子供のくせに口ばかり達者で、生意気で、うるさくて。
そのくせ、何にでも一生懸命で、まっすぐで。
......
極めて同感である。
しかも自分もそうであったことがはっきり思い出せる私だからこそ
今も15歳の連中となんとか付き合えている気がするのも確かで。