2004年10月8日金曜日

高所恐怖症イジメのサン・ピエトロ寺院のクーポラ

サン・ピエトロ寺院では、まずクーポラに登ろうとした。

どちらかと言えば、美術よりも眺めが好きなのである。

が、私は、高所恐怖症でもある。されど理性もつおい。

やっぱ登らないわけにはいかないであろう。

なんのボルゲーゼの気球よりは、どうってことなかろう、、、通常の判断である。

チケット売り場を通り、エレベータに乗る。

なぁーんだ、エレベータで行けるんなら全然怖くないじゃんさ。

けど、不思議だった。なんでクーポラの上までエレベータで行けるン?

案の定、エレベータから降りたのは、まだ壁の中で、窓の無い一方通行の通路を歩かされる。

す、すると突然、クーポラの中の壁沿いの道に出た。

「うっそぉ!」マジ、一瞬たじろいだ。

たぶん今までの私の人生での最大の恐怖である。

「なに?こんなとこ歩けってか?」

こんなところを恐れもなく歩ける人間は、恐怖という本能を欠損してしまった人間である。
私はそう思う。

狭い通路である。一方通行である。後ろから押されるまま、とんでもなく高い壁際の通路を歩くことになった。

「早く行ってくれぇ!」「んなところで写真撮ってンなよぉ!」

本能を欠損してしまっている人間に、私の願いは届かない。

無理やり止まらされ、怖さを隠して上ばかり見る。
「下なんか見れねーよ。」

で、心を紛らすために上方の写真を撮った。
(写真上)

ま、同じ目の高さも何とか見れる。
(写真中)

意を決して下方も撮る。マジ決死とはこのことを言う。
(写真下)

おかげで頂上に着いた時、高所の恐怖は、無くなっていて、遥か遠方の眺めは充分に楽しめました。

やっぱ、頂上の方が怖くないよ。

頂上からの眺めは、また今度。

P.S

しかし、こういう建物は、どうやって作るわけ?

クーポラの中壁のフレスコ画なんかどうやって描いた訳?

遥か昔において、既に人間の本能が欠損していたことを充分に実感した。

PM 11:23:57