半世紀以上前、そうたぶん私がまだ小学生にも上がらない頃、
父の会社は海外との貿易もしていて、
海外とのやり取りをしている方から珍しい切手をもらうようになった。
もちろん海外から届いた郵便物の使用済みの切手である。
やがて、切手帳を買ってもらいそれらを整理して保存し始めた。
すると、母からも古い切手を持っているからこれも、ともらった切手が「月と雁」や「手毬」だったりする。
やがて、おこずかいをもらって記念切手を買ったりして。
中学にもなると、記念切手の発売日には、郵便局に並んでシートで買ったりして。
その頃は、切手収集ブームの全盛期でした。
ある種の投機目的でもあったよね。
将来希少価値で幾らかは高くなろう、少なくとも額面以下になることはなかろう、と。
が、やがてそのブームは急速にすたれてゆく。
そもそも出せば売り切れた郵便局の発行枚数が多くなり過ぎたよね。
で、インフレが起こり、価値なんか上がる雰囲気もなくなり、たくさん買い込んだ人は、
使うのももったいないし、売るにも売れないし、、、で、きっと今はタンスや本棚にもぐり込んでいるに違いない。
# 私もそうです。
ところが、ある時、母がその中からありふれたデザインのシートから切り出して使いだした。
「あ~っ!」とも思ったものの、
「使わなきゃもったいないでしょ。」と母が。
私は何も言い返せなかった。
そもそもその切手を買ったお金は母からのお小遣いでもあったわけで。
それ以降は、私も使い始めた。
けれど、今となっては、私の人生中に使いきれるとは思えない。
そもそも切手を使う機会自体が少ないワケで。
最近はNISA流行り。
長期では損はしないはず、と言われても、切手収集の経験者は、きっと二の足を踏んでたりしない?(笑)
それにしても、昔は切手を郵便で送れる現金のように使っていたことなんて、今の若者には想像できないだろうなぁ。
P.S
切手消費の為に、最近はいろいろ懸賞に使ってみる。
しかし、額面が小さかった頃の切手は、何枚も貼らなきゃいけなくて
応募はがきの切手領域に貼り切れなくて使えなかったりする。
まぁ、人生のいつかの区切りでどこかに寄付でもしますかねぇ。
それとも話のネタに、我が子に相続するか。
きっと「いらん。」って言うだろうなぁ。
贈呈するなら孫が小さくてまだ喜びそうな時がチャンスかもしれない、、、な。