2024年10月10日木曜日

コヴェナント/約束の救出


すごい映画だった。

およそ2時間、緊張が途切れることなく続く物語だった。

# 以下は、完全にネタバレを含みます。

アフガニスタン戦争での出来事である。

物語は大きく分けて3部に分かれる。

・主人公が敵地を襲い、撃たれて倒れるまで。
・撃たれた主人公を通訳者が敵の中100kmを徒歩で運び米軍に渡す。
・帰国後、回復した主人公が再び現地に戻り、通訳者を助け出す。

物語自体は実話ではなかろう。

けれど、アフガン戦争のいろいろな出来事を知ることになる。

2001年の9.11同時多発テロによって、米国はアフガニスタンへ侵攻する。

しかし、そもそも現地では言葉が通じない。

米軍は現地で多くの通訳を雇うことになる。
映画中では、雇った通訳者数は5万人という。
通訳への報酬は、米国ビザである。

ところが通訳者は、ターリバーンから見れば、裏切者である。狙われる対象にもなる。

この映画の物語では、身重の妻を持つ通訳が、米国ビザ欲しさにとことん主人公を助ける。

けれど、主人公は意識のないまま本国に戻り、主人公を助けた通訳はアフガンに残され、その後は身を隠しながらの生活を送るハメになる。

この映画の物語は、再度通訳を助けるお話になるのだけれど。

現実的には、2021年に米軍が撤退を始めると、多くの通訳者たちは取り残されたことであろう。
そして、彼らは元通訳者であったことがバレるのを恐れ、ひたすら隠れて生活することになったのは容易に想像がつく。

その後、米国も元通訳者たちの国外退避作戦も実施したようだけれど、

言葉が全く通じない他国に侵攻するということは、事後も含めてこんなことが起きるものなんだということをつくづく思い知った映画であった。





P.S

決して、アフガニスタン人=ターリバーンではない。

そんな当然のようなことを改めて思い返しておきたいと思う。