ぜんたい
この街の人は
不自然だ
誰もあの事を言わない
いまだにわけが わからないのだ
わかっているのは「死ねばいい」と
誰かに思われたということ
思われたのに生き延びているということ
そしていちばん怖いのは
あれ以来
本当にそう思われても仕方のない
人間に自分がなってしまったことに
自分で時々気づいてしまうことだ
夕凪の街 桜の国 こうの史代著より
今年も8月6日が来た。
言葉の感触があまりにも痛い、熱い。
P.S
もうひとつ書き留めておこう。
終戦後、10年経って、皆実(みなみ)は死に逝く時に、
薄れゆく意識の中で思うのである。
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十年経ったけど
原爆を落とした人はわたしを見て
「やった!またひとり殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?
ひどいなあ
てっきりわたしは
死なずにすんだ人かと思ったのに
てっきりわたしは
死なずにすんだ人かと思ったのに
ああ 風・・・・・
夕凪がおわったんかねえ
夕凪がおわったんかねえ