2007年8月6日月曜日

夕凪の街 桜の国 (コミック版)


ぜんたい
この街の人は
不自然だ

 誰もあの事を言わない
 いまだにわけが わからないのだ

  わかっているのは「死ねばいい」と
  誰かに思われたということ
  思われたのに生き延びているということ

 そしていちばん怖いのは
 あれ以来
 本当にそう思われても仕方のない
 人間に自分がなってしまったことに
 自分で時々気づいてしまうことだ

           夕凪の街 桜の国  こうの史代著より

今年も8月6日が来た。
言葉の感触があまりにも痛い、熱い。


P.S

もうひとつ書き留めておこう。
終戦後、10年経って、皆実(みなみ)は死に逝く時に、
薄れゆく意識の中で思うのである。

--------

十年経ったけど
 原爆を落とした人はわたしを見て
 「やった!またひとり殺せた」
 とちゃんと思うてくれとる?
 
  ひどいなあ
  てっきりわたしは
  死なずにすんだ人かと思ったのに
 
 ああ 風・・・・・
 夕凪がおわったんかねえ