2007年8月23日木曜日

名古屋大学の授業 IN 河合塾(Ⅰ)

河合塾で名古屋大学の授業を受けよう!
そんな企画である。二夜連続である。

正直言って、この企画の趣旨は、正確には私は知らない。
そもそも予備校の河合塾で大学の授業をすることは、
メリットもデメリットもあろう。
結構、リスクのあるチャレンジな企画だな、と思った。

ただ、知名度のある先生方なので、
それなりに面白い話が聞けそうな予感がして足を運んだ。

さて、第一夜のタイトルは、

「ビッグバンと膨張宇宙」大学院理学研究科 杉山直氏

私は、「次元」とか「宇宙」の話が好きである。

興味を持ったのは、中学2年の時。
一冊の本に、はまった。
そのロジカルな思考過程と常識を逸脱した世界に想いを馳せるのが楽しかった。

けれど、そんな本を読みあさっても、あまり周囲には話を出来る相手がいなかった。
そもそも受験とも、いや、授業ともなんら関係もないし。

いやいや、そんな話で盛り上がること自体、周りから見れば不自然な人間に見えるであろう。
おおかた、そういうものに興味のある人間は、
そのテーマについて、あまりお互いに話をしないものなのかもしれない。

今回、思った。
予備校なんかで、そんなテーマで話をしても、学生はついて来れるのか?
そんなテーマに興味のある人間が、大きな教室を埋めるほどに居るのか?
質問タイムになった時に、誰か質問する若者はいるのか?
今回の企画参加には、そんな興味もあった。

さて、授業の内容についてである。
まぁ熱血教授が、まだ大学に入っていない若者への授業である。
教授の話への力の入れようがうれしい。

ただ、このテーマ、聞く側の人間の予備知識のレベルの差があまりにも広そうだ。
聞き手が話の内容にどこまでついていけているのか?
話としては難し過ぎないか? もう既に知っていることばかり過ぎないか?
いろいろ聞きながらも疑問と心配が頭をかすめた。

しかし、私には、1時間ちょっとというこの時間、とても短く感じられた。
それはきっと、話し手のうまさだろう。テーマが自分に合っていたせいもあるかもしれない。

さて、時間切れである。
資料を残しながらも質問タイムとなった。
質問する人間は居るのか?いざとなったらこのおじさんが手を挙げちゃうぞ!
しかし、そんな心配は、無駄に終わった。
次々に上がる質問の手。

もっとも、その質問を聞くに、やはり質問者の既成知識の差は相当ありそうだ。
けれど、教授は、うまく応えていく。さすがだ。

質問は止まらず、講演終了後も教授が個別に質問タイムを取るまでに至った。
列を成す若者達。(写真下)

そんな光景が、わたしはとても嬉しかった。



P.S

そうそうテーマに関することも書かなきゃね。
私も仕事上、国立天文台の先生を知っている。
天体望遠鏡のシステムの製作を手伝ったこともある。

けれど、その時に思ったことを正直に書くと、、、
宇宙の学問って、人類の最大の道楽なんじゃないの?

# なんて、直接先生には言えなかったけど。

今回の授業前もそんな想いが身に付いていた。
所詮、この学問は、人類の発展の役に立つのだろうか?
絶対に行けなさそうな銀河系の外の学問。
絶対に目で見えないビッグバン。
それに対する学問は、もはや人類の知的なお遊びに過ぎないのではないか?

正直言って、未だにそう思うこともある。
けれど、そもそも学問とは、遊びなんだ。
勉強とは、知的欲求の追及でしかないんだ。
食欲や睡眠欲や性欲とたいして変わらないんだ。
私は、そう思うし、そう信じている。

大学受験を目指して一見無機質としか思えないような勉強ばかりしている学生に
そんな想いが、届くといいな、、、

教室の後ろの方で講座を聞きながら、
人生の残りの方が少なくなったこのオジサンは、そんなことも思ったりもしていた。