こんなにも
こわれそうなほど美しい短編集が果たしてあったでしょうか
こんなことがありました・・・
2001年のセンター試験に
冒頭の短編「デューク」の全文が出題されました。
するとなんと、問題を解きながら
感動で涙を流す受験生が続出!!
書店でこれをごらんになった方
ちょっと手にとって、「デューク」(P12~P19)を
読んでみてください。
きっとあなたも泣いてしまうはず------
宝石のような短編が、21本もつまっています!
『つめたいよるに』
江國香織
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以上は、書店の広告(写真下)に書かれていた全文であります。
私もこのチラシが目に入って、
「たかだか8ページか、10分もかからないな。」とそこで立ち読みし始めた。
# 回りに他のお客もいるのにいい根性の中年である。
読んでいるうちに、なんかこの物語、テレビで観たことあるよな。
そんなことを思い出した。けれど、読んでいてもその最後は思い出せなかった。
ところが、、、あと1ページ半のところまで来た時、、、
「うっ!」思わず涙でその後が読めなくなった。
涙で本を汚してはならじと、メガネをとり、涙を拭き、、、
けれど、そのままそこで、その続きを最後まで読む自信がなかった。
恥ずかしかった。勇気がなかった。
で、最後まで、読まずにいられず、買うハメになった。
買わざるを得なくなった。
まんまとのせられたこの中年オヤジ。
見事な本屋の手書き広告でありました。
中は、ホントに細かい短編ばかり。
ちょっと電車の待ち時間なんかに読むのにもいいかも。
P.S
しかし、、、試験中に泣けてしまって、その後、試験は成立するのであろうか?
それとも、この程度で泣くヤツは、、、と、強靭な精神の持ち主を計る意味合いであろうか?
それにしても、きっと感受性の高き時期の受験生に、
試験中にこれを読ませるセンター試験の出題者も酷な先生である。
せめて、「この文章を読んで泣けた人は、この設問は、合格です。」
ぐらいの配慮があってもいいんでないかい?