無人島のふたり
120日以上生きなくちゃ日記
作者は、山本文緒。
58歳ですい臓がんとわかり、
抗がん治療を始めてみるものの
その辛さと延命の短さから緩和ケアに切り替え、
その時から最期までの日記である。
死に向かう作家の経過日記であれば、読み物としてのかたちにはなっているけれど、
実際は、もっともっとひどく苦しく辛いものだったんだろうなぁとの思いを馳せる。
ひとは、十人いれば、十色の最後があると思う。
けれど、がん患者の最期の時期をこういったかたちで表してくれたことに、
なにかある種の勇気のようなものをもらえたことも確かである。
人は、誰もが必ず最期を迎える。
私の最期も彼女に負けないように迎えようと思えた。
P.S
もっともっと作品を生んで欲しかった。
心からご冥福をお祈りします。